業務上、運送業者に荷物の配送を依頼することになったら、どのように業者を選ぶべきでしょうか。ビジネスシーンでは、対応可能な荷物の種類や大きさだけでなく、配達スピードといった条件も重視する必要があるでしょう。ここでは、運送業者の基礎知識や、業者選びのポイントを解説していきます。

ビジネスシーンでの搬入・搬出や、急ぎでの受注に対応するとき、速やかに運送業者を手配できるサービスがあると安心です。運送業者をお探しの企業のご担当者様は、ぜひ参考にしてみてください。

運送業者の基礎知識

運送業者(運送会社)は、一般的に「貨物自動車運送事業」を行う業者を指します。こちらは、自動車を使って有償で荷物を運送する事業のことです。貨物自動車運送事業法に基づいて、国土交通省の許可を受けた会社のみが営業できます。事業用として登録された車両は通常とナンバープレートの色が異なり、普通自動車では緑色、軽自動車では黒色となります。

なお、運賃や手数料を受け取って旅客や荷物を運送する事業は、「運送業」や「運輸業」と呼ばれます。代表的な運送方法は、自動車や鉄道による陸上輸送、航空機による航空輸送、船舶による海上輸送などです。運送業のなかでも旅客を運ぶものは「旅客運送業」と呼ばれ、サービスの一例として電車・バス・タクシーなどが挙げられます。自動車で旅客運送業を行うには、第一種運転免許に加えて第二種運転免許が必須です。貨物運送の業者は、基本的に旅客を運ぶことができません。

また、なかには運送業者が運べない荷物もあります。以下の品物が含まれる荷物の運送は、多くの業者では対応が不可能なためご注意ください。

*現金や有価証券…紙幣、小切手、株券など
*カード…クレジットカード、キャッシュカードなど
*個人情報が含まれる書類や記録媒体…CD、電子機器など
*動物…犬、猫など
*危険物…火薬、毒物など

このほかにも、運送業者各社で対応不可とされている品物があります。依頼する際は、事前に運送可能な荷物の種類を確認しておきましょう。

運送業者の主な種類と特徴

・一般貨物運送

トラックなどの貨物自動車で荷主の荷物を運びます。貨物自動車はモノの運送に特化した車両で、人の移動に使用する乗用車と比べて積載量が非常に多いという特徴があります。小型トラックで約2トン、中型トラックで約4トン、大型トラックで約20トンもの大量の荷物を運ぶことが可能です。

・軽貨物運送

軽トラックや軽バンといった軽自動車で荷物を運ぶ方法です。比較的小さな荷物を積載することが多く、一般貨物の運送業者と比べて費用が安い傾向にあります。宅配や小規模な引っ越しのほか、定期的に配送するルート配送や、貸し切りで運送するチャーター便などにも用いられます。

・宅配便や郵便

宅配便や郵便は、不特定多数の荷物を1台の車両にまとめて載せる運送方法です。全国規模の長距離輸送に利用されています。宅配便や郵便のトラックは、決められた時間に決められたルートを計画的に走ります。少量の小さな荷物の運送に適しており、業者の直営店のほかコンビニエンスストアでも依頼が可能です。

・バイク便、自転車便

バイクや自転車といった小回りが利く車両で、近距離へスピーディーに荷物を運ぶ方法です。運べる荷物は手荷物程度の大きさで、少量に限定されます。しかし、狭い道でも問題なく走行でき、かつ荷物の数が少ないため、速やかに届けられるのが特徴です。また、多くの業者は24時間対応となっています。

運送業者を選ぶポイント

料金

同じ荷物を送る場合でも、運送業者によって料金が異なります。繁忙期や年末年始などの休みなど、時期によって料金が値上げすることもあります。無料の一括見積りサイトで相見積りを取れるため、複数の運送業者の料金を比較検討したうえで選びましょう。相見積もりには、相場とかけ離れた不適切な料金設定での取引を防ぐという役割もあります。

荷物の大きさ

運送業者によって運べる荷物のサイズや重さに制限があります。大きな荷物の場合は、事前に業者へ連絡して運搬可能か確認しておくと安心です。また、荷物のサイズが大きいと、基本の運賃に追加料金が発生する可能性があるため、併せて確認しておきましょう。

荷物の種類

通常の運送業者で対応できない品物は、専門の運送業者に依頼するのもひとつの手です。たとえば、ピアノやバイクといったサイズや重量のある品物や、熱帯魚などの生き物の運送を行う業者もあります。温度管理が必要な荷物は、適切に梱包したうえで安全のためクール便やチルド便を利用しましょう。

配達スピード

荷物を急ぎで運ぶなら、速達サービスや当日配達サービスを提供している運送業者がおすすめです。料金は割高な傾向にありますが、確実に荷物を届けやすくなります。緊急の依頼であっても、24時間対応の業者なら時間帯を問わずに受付が可能です。